現代人を取り巻く社会的状況も無関係ではない。情報過多と絶え間ない変化に晒される現代社会において、人々の精神的キャパシティは常に限界近くまで逼迫している。地球という基盤そのものの不確実性が増すなかで、宇宙という絶対的な虚無に意識が向いたとき、自己の存在意義が失われるような感覚に陥りやすい。
「自分が立っている場所は本当に安全なのか」という根本的な疑念。それが、夜空を見上げた際の浮游感や強迫概念と結びつく。身近なストレスや疲労が蓄積しているときほど、脳は認知の枠組みを維持できなくなり、無限の暗黒に対してパニック症状を発現しやすくなるのだ。