ミシュランガイドのセレクション掲載や、株式会社カカクコムが運営するグルメレビューサイトでの高評価が引き金となり、席の争奪戦は激化の一途をたどる。数分で月間の全枠が埋まるオンライン予約サイトの画面を前に、ため息を漏らした経験を持つ人は少なくないはずだ。
大手チェーンが席巻し、マニュアル化が進む日本の外食産業において、こうした個人経営の名店が見せる圧倒的な集客力は一つの希望でもある。「安くて旨い」の先にある、「ここでしか味わえない唯一無二の体験」に対価を払う価値観が完全に定着した。職人の手仕事と確かなクオリティが、過剰なデジタル社会に対する強力なカウンターカルチャーとして機能しているのだ。