この言葉のルーツを辿ると、江戸時代の社会構造にまで遡る。当時は、幕府や大名家に特権的に出入りし、物品の納入や金融の用立てを担った商人を「御用達商人」と呼んだ。徳川家康が江戸幕府を開いて以降、権力者の膨大な需要を支える商人の存在感は増し、彼らには苗字帯刀や限られた特権が与えられた。
単なる売り手と買い手の関係を超え、権力と格式の象徴として生まれた「御用達」という制度。商人たちにとって、その呼び名を得ることは一族の誉れであり、信用度の証でもあった。この江戸時代の商慣習と格式のイメージが、時を超えて現代の高級品や老舗のブランディングに強い影響を与え続けている。