現代の着付け現場において、最も深刻なトラブルを引き起こしているのが「スマートフォンのインカメラ撮影による鏡像問題」です。
現場のリアルな告白として、大手掲示板やSNSでは毎夏、次のような悲痛な声が大量に投稿されます。
「着付け師さんに完璧に着付けてもらい、お祭りで撮った自撮りをInstagramに投稿したら、コメント欄で『襟が逆!死に装束で出歩くな』と心ない誹謗中傷を浴びて泣く泣く削除した」
「彼氏とのツーショットを載せたら、知らないアカウントからマナー違反の指摘が殺到した」
この現象の真相は、スマートフォンの自撮り設定にあります。多くのスマートフォンのインカメラは初期設定で「プレビュー通りの鏡像(左右反転)」として画像が保存される仕様になっています。本人は完全に正しい「右前(自分から見て左が上)」で着用しているにもかかわらず、撮影された写真上では左右が反転し、第三者からは「死に装束の左前」に見えてしまうという悲劇です。
さらに問題を複雑化させているのが、ネット上に跋扈するいわゆる「和装マナー警察」の存在です。左右反転の可能性を一切考慮せず、表面的な写真の重なりだけを見て糾弾するユーザーが少なくありません。
自衛のためのチェックポイントとして、写真内の「文字の向き(看板やうちわの文字)」や「背景の車のナンバー」、あるいは「腕時計の装着腕」を確認することが挙げられます。もし自撮りをSNSに公開するなら、スマートフォンのカメラ設定で「反転して保存」を無効化するか、写真編集アプリで左右反転の補正をかけてから投稿するのが、スマートなリスク回避策となります。