俳優・玉森裕太の評価を決定づけたのは、妥協を許さない役作りへの姿勢だ。先輩である木村拓哉と共演を果たした映画『グランメゾン・パリ』では、パリの現場で厳しい要求に応え続け、料理人としての繊細な心の機微を見事に表現し切った。大先輩である木村拓哉の背中から学んだ現場での居方やプロ意識は、彼の役者魂に大きな火をつけた。
その経験は、TBSテレビで放送されたドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』での凄絶な役作りへと直結する。プロボクサー役を演じるにあたり、徹底した食事制限と肉体改造を敢行。金髪のクズ男という難役でありながら、背後に抱える切なさや孤独を滲ませ、視聴者の心を揺さぶった。作品ごとに全く異なる顔を見せる振り幅の広さこそ、今の彼が誇る最大の武器である。