歴史ファンにとって、島原港周辺は幕末の大きな転換点となった聖地だ。文久4年(1864年)、坂本龍馬は幕府軍艦奉行並の勝海舟に伴い、熊本の三池から有明海を渡って島原に上陸した。ここから勝海舟らは長崎へと向かい、日本の近代化に向けた激動のドラマが加速していったのである。
港の近くには龍馬の上陸を記念する碑やゆかりの史跡がひっそりと佇む。当時は木造船で潮の流れを読みながらの決死の渡海だったはずだ。現代の私たちが快適なフェリーでわずか数十分で渡ってしまう同じ海を、龍馬はどのような思いで見つめていたのだろうか。波間に思いを馳せながら航路を辿る旅は、単なる移動以上の深い感動を与えてくれる。