ネット上の掲示板やSNSでは定期的に、「手紙の宛名で赤枠の前に〒を書いたら怒られた」「ビジネスマナーとして郵便記号は書くべきではないのか」という疑問が話題にのぼります。現場の物流実態はどうなっているのでしょうか。
結論から述べると、赤色の郵便番号枠(7桁のマス目)が印刷されている封筒やハガキの場合、マークを枠の外や中に書く必要はありません。むしろ書かないことが推奨されます。
郵便局の現場では、1時間に数万通の手紙を高速処理する光学的文字認識(OCR)式郵便区分機が稼働しています。この区分機は、郵便番号枠の位置を基準にして赤外線カメラで数字を瞬時に読み取り、配達先ごとのトレイへと自動仕分けします。
郵便事業の実務現場取材や日本郵便の案内によると、郵便番号枠のすぐ左側や枠内に「〒」の記号が手書きされていると、機械のセンサーが記号を「数字の『7』や『1』」と誤認したり、ノイズとして認識して機械処理エラー(はじき)の原因になるケースが報告されています。機械ではじかれた郵便物は手作業による確認へと回されるため、配達スピードに影響が出るリスクさえ生じるのです。
ただし、白無地の封筒などで郵便番号枠が印刷されていない場合は、数字の前に「〒」を添えることで、住所の番地などの数字と郵便番号を視覚的に区別する実用的なメリットがあります。状況に応じた使い分けが、現代の実務における必須知識です。