永小作権とは?現代でほぼ消滅した理由と民法・賃借権との決定差

永小作権とは?現代でほぼ消滅した理由と民法・賃借権との決定差

永小作権とは?現代でほぼ消滅した理由と民法・賃借権との決定差に関する疑問や疑問点を初心者にも親しみやすくまとめました。詳細を読もうことができます。

民法第278条は、永小作権の存続期間について極めてユニークな上限と下限を設けています。当事者間で期間を合意する場合、最短でも20年、最長でも50年の範囲内で定めなければなりません。仮に50年を超える期間を設定したとしても、法律の強行規定によって自動的に50年に短縮されます。契約で存続期間を一切定めなかった場合の法定期間は「30年」です。更新自体は何度でも可能ですが、その際も更新時から50年を超えることは許されません。

なぜこのような期間制限があるのか。短すぎる期間では農民が土壌改良やかんがい設備の整備といった長期的な投資を行うインセンティブが削がれてしまい、逆に長すぎれば所有権が骨抜きになり、前述の寄生地主制のような封建的拘束が復活する恐れがあるためです。近代市民法が腐心した「所有権の絶対性」と「耕作者の保護」の妥協点がこの数字でした。

さらに実務上で興味深いのが、小作料の支払い義務と減額請求を巡る規定(民法第274条・第275条)です。現代の賃貸借であれば、台風や干ばつなどの天災地変で収穫が激減した場合、賃料の減額請求が認められやすい傾向にあります。ところが永小作権においては、「不可抗力によって損失を受けても、小作料の減額または免除を請求することはできない」のが大原則です。

これは物権としての強力な権利を与えられている代償として、収穫リスクも永小作人が引き受けるべきという自己責任の法理が働いているためです。ただし、例外救済規定も用意されています。不可抗力によって「引き続き3年以上全く収益を得られない」か、あるいは「小作料より少ない収益しか得られない期間が5年以上続いた」場合には、永小作人は権利を放棄して契約関係から脱退することが認められています。

また、物権である永小作権は地主の承諾なしに譲渡や賃貸が可能ですが、民法第272条のただし書によって「設定行為で譲渡・賃貸を禁止する特約」を結ぶことが有効と認められています。物権でありながら禁止特約が有効という、民法体系のなかでも極めて例外的な柔軟性(裏を返せば地主への配慮)を内包している点も見逃せません。

鈴木 陽菜
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鈴木 陽菜

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