年末の挨拶において最も慎重な配慮が求められるのが、自分または相手が「喪中(忌中)」であるケースです。「よいお年をお迎えください」という言葉自体はお祝いの言葉(賀詞)そのものではありませんが、「年神様を迎えてめでたく新年を祝う」というニュアンスを内包しているため、不幸があった相手に対して使うのは避けるのが伝統的なマナーとされています。
相手が喪中であることが分かっている場合や、年賀欠礼状(喪中はがき)を受け取っている場合は、以下のような「労い」や「健康への配慮」を中心とした代替表現に差し替えるのがマナーの定石です。
- 「本年も大変お世話になりました。どうぞお体を大切にお過ごしください」
- 「寒さ厳しき折、何卒ご自愛いただき、穏やかな年末年始をお過ごしくださいますようお祈り申し上げます」
- 「来年も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます」
また、自分が喪中の場合でも、相手が喪中でなければ「よいお年をお迎えください」と相手に向けて伝えること自体に厳格なタブーはありません。ただし、自身の心情として祝賀ムードを避けたい場合は、「本年賜りましたご厚情に深く感謝申し上げます。どうぞ穏やかな新年をお迎えください」といった落ち着いた表現を用いると品格のあるコミュニケーションが保てます。