デビュー10周年を記念して刊行された写真集『鬨(とき)』は、出版不況が叫ばれる紙の出版市場において突出した存在感を示しました。東京ニュース通信社から刊行された本作は、予約開始直後から主要ネット書店のランキング首位を独占。事前の予約殺到を受けて発売前重版が決定し、発売後もわずか数週間で3刷・4刷と版を重ねる快挙を達成しました。
写真集市場における初週売上は通常、アイドルの卒業記念やブレイク直後のタレントが突出する傾向にあります。しかし、キャリア10年を迎えた本格派女優の作品がこれほど爆発的な初動とロングセールスを両立させた事例は極めて稀です。出版関係者の証言によると、「一般的な女優写真集の販売推移は発売後1カ月で収束するケースが多いなか、『鬨』は発売後半年以上が経過しても安定した実売数を維持し、累計発行部数は異例の規模に達している」とされています。
作品の舞台に選ばれたのは、熱気と哀愁が交差する東南アジアの要衝、ベトナムです。ホーチミンの喧騒、メコン川の泥泥とした自然、そしてリゾート地ムイネーの白砂漠。異国情緒あふれるロケーションのなかで、湿度の高い空気感とともに収められたカットの数々は、従来のタレントグラビアとは一線を画すリアリズムを放っています。単なるプロモーション企画ではなく、ひとりの女性の生き様を焼き付けたドキュメントとしての完成度が、息の長い購買行動を支えています。