関係者への徹底取材によって、劇場公開版では惜しくもカットされた「幻の4分間」の存在が明らかになった。地方の無人駅のホームで主人公のふたりが交わすはずだった長回しの対話シーンである。台本には存在しなかった役者陣のアドリブが溢れ出し、感情が昂りすぎたあまり演出意図を超えてしまったテイクだったという。
現場スタッフが語る。「あのシーンはお互いの本音が剥き出しになりすぎて、劇場のテンポ感を崩すという苦渋の決断で切られた。だが、あそこにこそ作品の核心があった」。この未公開シーンは関係者の間でも伝説と化しており、ディレクターズカット版への収録を望む声が鳴り止まない。徹底的なリアリズムを追求した現場の張り詰めた空気感が、この名作を強固なものにしたのだ。