基地に取り残された樺太犬は全部で15頭でした。昭和34年(1959年)1月、第3次観測隊が1年ぶりに昭和基地へ足を踏み入れた際、確認された15頭の運命の内訳はあまりにも痛ましいものでした。
基地の鎖につながれていた15頭の樺太犬の名前と結果は以下の通りです。
【鎖につながれたまま死亡していた7頭】
・ゴロ:首輪が抜けず、その場で息絶える
・ペス:首輪が抜けず、その場で息絶える
・モク:首輪が抜けず、その場で息絶える
・クロ:首輪が抜けず、その場で息絶える
・ポチ:首輪が抜けず、その場で息絶える
・アカ:首輪が抜けず、その場で息絶える
・紋別のクマ:首輪が抜けず、その場で息絶える
【首輪を自力で外し、行方不明となった6頭】
・リキ:犬ゾリ隊の頼れるリーダー犬(後に基地付近で遺体発見)
・風連のクマ:タロとジロの父親
・アンコ:若手の実力派
・シロ:白銀の毛並みを持つ犬
・ジャック:力持ちの牽引犬
・デリ:勇敢な探索犬
【奇跡の生還を果たした2頭】
・タロ:兄弟の兄。温厚で慎重な性格
・ジロ:兄弟の弟。活発で好奇心旺盛な性格
繋がれたまま命を落とした7頭の死亡原因は、極度の飢餓と寒冷による衰弱死および凍死でした。鎖を外すことができず、吹きすさぶブリザードの中で寄り添いながら力尽きた遺体は、雪の下で静かに眠っていました。
一方、首輪から抜け出した犬たちの多くは、海氷の割れ目に転落して溺死したか、極寒の荒野で力尽きたと考えられています。なお、リーダー犬のリキは1968年、基地から約1キロメートル離れたルンパ島付近で凍結した遺体となって発見されました。自力で脱出した後も基地の近くに留まり、仲間や基地を守るように息絶えていたリキの姿は、多くの調査隊員たちの涙を誘いました。