西森博之氏による伝説的ツッパリ漫画を原作とした本作において、柳楽優弥に与えられた役名は柳鋭次(やなぎ えいじ)。原作ファンにとっても屈指の凶悪エピソードとして知られる「北根壊高校編」の首魁です。
隣町の北根壊高校が校舎の火災を機に、三橋や伊藤たちが通う軟葉高校の隣町である開久高校の校舎を間借りしてきたことから物語は始まります。柳鋭次は、相棒である大男・大嶽重弘(演:栄信)を従え、開久の生徒たちに法外な価格で「お守り」と称したバランステープを売りつけ、従わない者を容赦なく叩き潰す組織的なシノギを展開しました。
従来の番長格が誇る「タイマンの強さ」や「男気」とは完全に一線を画し、暴力をビジネスライクに行使する姿は、原作が持つ昭和・平成初期のヤンキートーンを飛び越え、現代の半グレ組織にも通じる底知れぬ生々しさを放っていました。主演の賀来賢人と監督の福田雄一氏が作り上げた「ふざけ倒す痛快コメディ」の土台があったからこそ、そこに投じられた柳の異質さは観客へ鮮烈なショックを与えたのです。