映画関係者の間で長年語り継がれてきたのは、現場たたき上げとして培われた泥臭い職人魂と、海外の潮流を貪欲に吸収したモダンな映像センスの共存だ。初期のインディペンデント活動から着実に実績を重ね、脚本開発からポストプロダクションの細部に至るまで自ら指揮を執る徹底した現場主義が貫かれている。
こうした妥協なき姿勢にいち早く反応したのが、長年カルチャーを牽引してきた老舗スタジオである。伝統的なスタジオワークを重んじる東宝や松竹の製作陣からもアプローチが絶えず、新時代の映像制作を牽引する旗手として争奪戦が激化している。古典的な映画文法を熟知しながらも、それを現代的なスピード感で解体・再構築するセンスは、同世代のクリエイターの中でも群を抜いている。