戦後の面影が色濃く残る1949年、日本初の独立系インド料理専門店として産声を上げた。小麦粉でとろみをつけた欧風カレーが主流だった当時の日本において、サラリとしたスープに多種多様な香辛料を贅沢に溶け込ませたカレーは、まさに天地が覆るほどの衝撃であった。
創業者は、独立運動家としても知られるA.M.ナイル氏。彼がこの銀座の地に蒔いた一粒の種は、やがて芽吹き、日本中のカレーマニアを虜にする大樹へと成長を遂げた。単に珍しい異国の味を提供するのではなく、日本の気候や日本人の嗜好を計算し尽くした絶妙な塩梅こそが、長きにわたり暖簾を守り続けてこられた最大の勝因である。