この建て替えにおいて最も大きな注目を集めたのが、銀行会館のファサード保存です。かつての東京銀行集会所(大正5年竣工、松井貴太郎設計)は、赤レンガと二重橋風のアーチ窓が美しいクラシック建築の傑作として親しまれていました。1993年の第一次建て替え時にも外壁保存が行われましたが、2000年代後半の全面再開発にあたってもその歴史的意匠が極めて高い精度で継承されました。
地上29階・地下4階の近代的な超高層オフィスビルの足元に、大正ロマンの薫りを残す重厚なレンガ造りの低層部が見事に融合しています。三井住友銀行本店ビルの建て替えは、単なるスクラップ&ビルドではなく、日本の金融史を物語る景観遺産を未来へとつなぐ先進的な都市再生モデルとして、建築・都市計画の専門家からも今なお高い評価を受けています。