1950年代半ば、日本の映画産業に巨大な地殻変動が起きた。石原慎太郎の文学作品を原作とした『太陽の季節』、そして弟の石原裕次郎が主演を務め伝説となった『狂った果実』である。若者たちの刹那的な情熱と虚無を描いたこれらの作品で、彼は作品全体に洗練された緊張感を与えるキーマンとして強烈な印象を刻みつけた。
当時の邦画界では類を見ない彫りの深いビジュアルと、内面から滲み出るニヒリズム。太陽族映画と呼ばれた一連のセンセーショナルなムーブメントの中で、彼のたたずまいはどこか西洋的な冷徹さと甘さを同居させていた。スクリーンの前で観客が息を呑んだのは、荒々しい若さの中に潜む、計算し尽くされた知性だったのだろう。