松陽と虚という二役のキャスト選びは、アニメ『銀魂』の制作陣にとっても極めて重大な賭けであったと言われている。松陽先生の存在感は物語のバックボーンそのものであり、半端な演技では作品全体の説得力が崩壊しかねないからだ。
その大役に抜擢されたのが、「七色の声を持つ男」こと山寺宏一だった。原作読者が頭の中で思い描いていた「理想の松陽先生」の声を軽々と超え、さらに「虚」という異次元の脅威を具現化した彼の仕事に対し、放送当時はSNSやアニメ誌で称賛の嵐が巻き起こった。制作スタッフをして「山寺さん以外にこの難役を任せられる役者はいなかった」と言わしめた配役は、まさにアニメ史に残る金字塔的キャスティングであった。