万事屋銀ちゃんのペットとして馴染み深い定春ですが、その正体は宇宙生物や単なる大型犬の変異種ではありません。遥か古より地球を巡るエネルギーの奔流「龍脈」の噴出口である龍穴(りゅうけつ)を守護・統制するために生み出された神獣「狛神(ハクシン)」です。
かつて江戸の龍穴を管理していた代々続く巫女の家系、阿音(あね)と百音(もね)の双子姉妹が元の飼い主でした。しかし、天人の来訪とターミナル建設によって龍脈の流れが乱れ、巫女の役職が衰退。さらに、狛神を維持するために不可欠な神聖な餌(出汁用ドッグフード等)の高騰による経済的困窮が重なり、姉妹は断腸の思いで定春を万事屋の前に置き去りにしたというシビアな経緯が存在します。
天人襲来という時代の激変によって居場所を失った神獣が、同じく時代の波に弾き飛ばされた坂田銀時、志村新八、神楽という「はぐれ者たちの共同体(万事屋)」に行き着いた構図は、本作のテーマである「失われた居場所の再構築」を象徴する重要なプロットです。