役所広司の長いキャリアとブレイクを語る上で欠かせないのが、家族の存在です。役所は1982年、無名塾の先輩(1期生)であった女優の河津左衛子(さえこ)さんと結婚しました。
まだ俳優としての収入が不安定だった下積み期から、河津さんは役所の才能を深く信じ、精神的にも生活面でも全面的に支え続けました。後に役所自身が個人事務所(ワイ・ケイ事務所)を設立した際にも、妻として、また最も信頼できるパートナーとしてマネジメントや環境づくりを支えてきたと伝えられています。
また、二人の間に誕生した長男・橋本一郎も現在、実力派俳優として映画やドラマ、舞台で活動しています。父と同じ道を歩みながらも、安易に親の七光りに頼ることなく、インディペンデント映画や骨太な演劇作品で地道にキャリアを重ねる姿勢は、かつて無名塾で愚直に芸を磨いた父・役所広司のDNAを色濃く受け継いでいるといえます。