この世代の圧倒的な実力を世界に知らしめた金字塔といえば、役所広司が主演を務めた映画『PERFECT DAYS』だろう。東京・渋谷の公共トイレ清掃員としての静かな日常を丁寧に描いた本作で、彼はカンヌ国際映画祭最優秀男優賞に輝いた。過度な説明セリフを排除し、身体表現と表情の微細な変化だけで人間の孤独と尊厳を表現した演技は、世界中の映画人から絶賛を浴びた。
派手なアクションや劇的な展開に頼らず、日常の細部を丹念に積み重ねる質の高いヒューマンドラマにおいて、彼の存在感は唯一無二だ。画面に漂う哀愁と温もり、そして人間臭さ。役所が体現してみせたリアリズムは、単なるベテランの枠を超え、世界レベルのトップランナーとしての矜持を示している。