世界遺産の魅力は、歴史的建造物だけにとどまらない。太古の生態系や手つかずの大自然が息づく世界自然遺産の存在感は年々増している。地球規模の環境意識の高まりとともに、過剰な混雑を避けて大自然の懐に抱かれる旅を選ぶ人々が増えたからだ。
これに伴い、観光業界の戦略も大きく方向転換を迫られている。単に観光客数を追求する時代は終わり、環境負荷を最小限に抑えながら高品質な体験を提供する「レスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)」が主軸となりつつある。地域経済を潤しながら生態系を守る持続可能な旅のあり方が、これからのトレンドを形作っている。