閉ざされた花街の妖艶な世界は、時代を超えてクリエイターたちを魅了し続けてきた。伝説の芸妓・岩崎究香の半生に着想を得たハリウッド映画『SAYURI』は、絢爛豪華な花街の美意識と厳しい芸事の世界を世界中に知らしめた金字塔である。
そして近年、その情熱は現代の映像作品へと引き継がれている。映画監督の是枝裕和が総合演出を務めたNetflixの話題作『舞妓さんちのまかないさん』だ。過度な装飾を排し、屋形(置屋)で暮らす舞妓たちの等身大の日常と食を優しく掬い取ったこの作品は、単なる文化ドキュメンタリー・ドラマの枠組みを超え、若い世代が日本の伝統芸能・観光おもてなし産業の底力に目を開くきっかけとなった。