この利便性の高い運行体制の背後には、長年にわたる独自の事業基盤が存在する。現在、本路線を中心となって運行しているのは阪急観光バス株式会社だ。同社が運行する「伊丹空港〜京都駅八条口線」は、関西の都市間輸送における最重要幹線の一つとして機能している。
阪急グループの創業者である小林一三は、かつて「乗客が乗るから電車を走らせるのではなく、電車を走らせるから街がひらける」という先駆的なビジネスモデルを提示した。そのパイオニア精神は、現代の空港連絡バス事業にも脈々と受け継がれている。かつて敷設された都市交通網の構想が、現代では空港と主要ターミナルをダイレクトに結ぶ高速バス網へと昇華しているのだ。
終点となる京都駅八条口は、新幹線の改札や多数のホテル群に隣接する絶好のロケーションを誇る。降車後すぐに次の目的地へとスムーズに移行できる動線設計も、小林一三が目指した顧客本位の交通インフラ思想の延長線上にある。