広告の枠組みを飛び越え、幅広い世代の記憶にその名を刻んだのが、NHKの名物番組『みんなのうた』で手掛けた一連のアニメーション作品群である。彼が紡ぎ出す映像は、幼い子どものみならず、日々の生活に疲れた大人の心をも強く揺さぶった。
温かみのある手描きの線、どこか哀愁を帯びたキャラクターの造形、そして音楽と映像が完璧に調和した時間感覚。NHKプラスでの見逃し配信や公式YouTubeチャンネルを通じて、制作から年数を経た今なお新たなファンを獲得し続けている事実は、作品の持つタイムレスな強さを証明している。映像作家として、彼が持つ「人の弱さや愛おしさを肯定する視線」が、アニメーションという手法を通じて鮮やかに結実した瞬間だった。