野球人生の終わりは、プロの世界だけに存在するわけではありません。高校野球において甲子園を目指した球児たちの多くも、高校3年生の夏にひとつの大きなピリオドを打ちます。
高校球児の引退後の進路は、強豪校であれば大学野球や社会人野球への推薦進学・就職が有力なルートとなりますが、全体の約7割以上の選手は高校卒業とともに競技野球から離れます。そこで近年注目されているのが、「野球引退に伴う燃え尽き症候群(バーンアウト)」の問題です。
小学校・中学校から生活のすべてを野球に捧げてきた選手ほど、部活動を引退した途端に強い喪失感を抱き、アイデンティティを見失ってしまう傾向があります。「野球のない自分には何の価値もない」という自己否定に陥り、学業への集中力低下や無気力状態が続くケースも少なくありません。この燃え尽きを防ぐため、高校や大学の現場でも「引退後のキャリア教育」やライフスキルの習得が重視されるようになっています。