佐野の麺づくりは独特だ。職人が太い青竹に体重を乗せ、リズミカルにしならせながら生地を薄く延ばしていく。この青竹手打ちラーメンの製法によって、麺の中に無数の微細な気泡が生まれ、軽やかな食感と抜群のスープリフトが実現する。重すぎない。油分も控えめ。だからこそ、目覚めたばかりの身体が素直に受け入れる。
「うちのスープは朝イチが一番澄んでいる」と語る店主の表情には職人気質が宿る。名水百選に数えられる出流原弁天池の湧水群に象徴されるように、佐野は水が極めて柔らかい。朝仕込みの出汁は雑味が一切なく、鶏と豚のピュアな甘みだけが舌先に広がる。ヘビーな背脂系ラーメンとは対極にあるこの透明感こそ、朝ラーとして定着した最大の原動力だ。