野猫と野良猫の最も衝撃的な違いは、適用される日本の法律が根本から異なるという点です。同じ種類の猫でありながら、置かれている環境によって法的な位置づけが180度変わります。
市街地にいる野良猫は、「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」の対象です。法律上は愛護動物として扱われるため、みだりに殺傷したり遺棄したりした場合には、5年以下の懲役または500万円以下の罰金といった厳しい刑事罰が科されます。
一方、山林に生息する野猫は、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」の対象となります。この法律において、野猫はイノシシやシカなどと同様に狩猟鳥獣に指定されています。つまり、鳥獣保護管理法の規定に従った適正な手続きのもとであれば、捕獲や駆除が合法的に認められているのです。
このように、どこでどう生きているかによって「手厚く保護される対象」になるか「生態系を脅かす害獣として駆除される対象」になるかが分かれるという現実は、多くの人々にとって驚くべき事実となっています。