瑶子女王の活動を語る上で欠かせない転換点となったのが、ご自身の健康状態に関する告白でした。瑶子女王はシンポジウム等の公の場において、長年にわたり感音性難聴を抱えていることを自ら明かされました。皇族が自らの障害や身体的な困難について、具体的な病名を挙げて公にスピーチを行うことは前例が極めて少なく、医療・福祉関係者をはじめ多くの人々に深い感銘を与えました。
公表された当時の講演で、瑶子女王は以下のような趣旨の率直な思いを述べておられます。
「自分自身、周囲の音が聞き取りにくいことで会話に入りづらかったり、誤解を受けたりする経験をしてきました。外見からは分かりにくい『見えない障害』だからこそ、当事者が声を上げ、社会全体が理解を深めることが大切だと感じています」
この告白は単なる個人的な事情の開示にとどまりません。瑶子女王は国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)の総裁を務められており、障害の有無や年齢にかかわらず、すべての人が暮らしやすい製品・環境づくりを目指す運動の旗振り役を担っています。自らが難聴当事者であるからこそ、聞こえを支援するヒアリングフレイル対策や音響技術、誰にでも直感的に伝わる情報デザインの普及に対して、並々ならぬ熱意と説得力をもって取り組まれているのです。