要介護3という認定は、自力での立ち上がりや歩行が難しくなり、排泄や身の回りの動作全般に全面的な介助が必要とされる状態を指す。ここに精神行動症状(BPSD)が重なると、家庭内の環境は一変する。暴言、火の不始末、迷子になるほどの徘徊。家族が睡眠時間を削って対応を続けた結果、共倒れになる悲惨な事態が日常的に起きている。
現状の高齢者福祉施策においても、在宅維持を基本としつつも、過度な負担に晒される家族の保護が急務とされている。認知症専門医による適切な診察を受けないまま、症状悪化を精神論で乗り切ろうとすることは破滅への道だ。医学的なアプローチと公的支援の介入なしに、この壁を突破することはできない。