連載中やアニメ放送時、読者の間で急速に広がったのが「新門紅丸 死亡」という不穏な検索キーワードでした。結論から申し上げますと、新門紅丸は死亡していません。最終決戦を生き抜き、その先の新たな世界まで堂々と生存しています。
ではなぜ、これほど強力な死亡説が飛び交ったのか。理由は物語終盤の「大災害」編において描かれた、人類の恐怖や集合無意識が具現化する存在「ドッペルゲンガー」との戦闘にあります。
アドラの影響によって出現するドッペルゲンガーは、周囲の人々が抱く「その人物に対するイメージ」がそのまま強さとなって実体化する脅威です。当時、浅草住民をはじめとする全世界の人々にとって、新門紅丸は「無敵の神」「最強の怪物」として認識されていました。つまり、出現した新門紅丸のドッペルゲンガーは、「全人類が想像し得る最強の紅丸」という、論理的に絶対に勝てないはずの絶望的なパラメータを与えられて顕現したのです。
読者の誰もが「いかに紅丸といえど、人々の想像が生んだ神がかりの己には敗北し、命を落とすのではないか」と息を呑みました。しかし、紅丸が下した結末は読者の想像の遥か上を行くものでした。
相対した紅丸は、自身を模した巨大な影を一瞥し、「周りが思ってる俺の強さなんて、この程度かよ」と吐き捨てると、自らの手刀「日輪」の一撃でドッペルゲンガーを瞬殺したのです。「他人が思い描く最強」よりも「本物の自分自身」のほうが圧倒的に強かったという、バトル漫画史に残る痛快極まりない大勝利でした。この衝撃的な展開の直前までの緊迫感が、ネット上で「死亡フラグではないか」と拡散されたことが噂の発端です。