日本人の平均食塩摂取量は、厚生労働省の目標値を依然として大きく上回っている。日本高血圧学会が提示するガイドラインでは、高血圧患者における1日の食塩摂取量を「6g未満」と定めているが、日常の食生活でこれを達成するのは至難の業だ。従来の減塩醤油や低塩調味料は、単純に塩分をカットした結果として「塩気も旨味も物足りない」というジレンマに直面してきた。
この根深い「減塩の壁」に対し、高血圧治療の第一人者として知られる渡辺尚彦医師も、持続可能な食習慣の重要性を繰り返し提言している。無理な我慢を強いる食事制限は長続きせず、結局はリバウンドやストレスを招く。だからこそ、塩分に頼らずに脳と味覚を満足させる新たなテクノロジーが求められていたのだ。