局アナ時代、彼女たちは手厚い制作環境と局の信用に守られていた。技術スタッフがセッティングしたスタジオに入り、用意された原稿を正確に読む。それが本来の業務だった。しかし、フリーアナウンサーとして一歩足を踏み出した瞬間、その庇護はすべて消え去る。
地上波では決して語られないが、独立直後に突きつけられるのは「何でもこなすマルチタレント」としての生存競争である。企画の打診からスケジュールの交渉、自分自身のセルフブランディングに至るまで、自力で行わなければならない。放送業界の構造変化に伴い、単にニュースが読めるだけのアナウンサーの需要は劇減している。情報番組での気の利いたコメント力はもちろん、SNSでの発信力や個人のキャラクター性がダイレクトに試される時代になったのだ。