選挙の開票作業でしばしばドラマを生むのが「按分票」と呼ばれる仕組みだ。開票所で同姓や同名の候補者が複数存在する場合、あるいは「たなか」とだけ書かれた投票用紙が見つかった場合、その票は開票区内の該当候補者の得票割合に応じて小数点で割り振られる。
1票が0.6票や0.4票に細分化されるこの按分処理は、僅差の争いにおいて致命傷となり得る。選挙管理委員会は開票時、投票用紙に記載された文字が誰を指しているかを厳格に審査する。ひらがな表記で候補者名を一意に認知させておけば、他候補との混同を最小限に抑え、按分処理に持ち込まれるリスクを大幅に減らせるのだ。
選挙管理委員会の開票基準は極めて厳格だ。判読不明な文字や余計なマークが添えられた票は即座に弾かれる。だからこそ、誰が書いても同一の文字として判別しやすい「ひらがな」の価値が浮き彫りになる。