自宅で過ごす時間の質を重視するトレンドが定着した現在、ルームフレグランス産業全体の規模は急激な拡大を続けている。アロマスプレーやキャンドル市場が成熟するなかで、お香が独自の再評価を受けている背景には、「火を使う」というアナログなアクションが持つマインドセット効果がある。
この潮流を支える裾野の広がりを象徴するのが無印良品のお香シリーズだ。白檀や緑茶、ひのきといった親しみやすい香りを手頃な価格帯とミニマルなパッケージで提供することで、これまでお香に触れてこなかった若年層やエントリーユーザーの心理的ハードルを一気に引き下げた。手軽に試せる日常使いの製品から、特別な夜のためのプレミアムな工芸香まで、個人のライフスタイルに寄り添うグラデーションが完全に整ったといえる。