現在、法曹界で最も熱く議論されているのが、生成AIやビッグデータ解析による「内心の推定」と憲法19条の関係である。判例タイムズなどの法学専門誌でも特集が組まれる通り、SNSの閲覧履歴や購買データ、AIによる表情分析から個人の思想傾向や政治的志向を高精度に割り出すテクノロジーが実用化されている。
直接的に取り調べで思想を詰問しなくても、アルゴリズムが個人の「内面」を浮き彫りにし、信用スコアや採用、融資判断に密かに反映させる社会が到来したらどうなるか。それは国家や企業が個人の脳内に介入しているのと実質的に変わらないのではないか、という問題提起だ。思想・良心の自由を守るための法的防波堤は、アナログ時代の「自白の強要防止」から、デジタル時代の「プロファイリングからの防衛」へと、新たなフェーズに突入している。