放送当時の星野源といえば、大ヒットドラマで演じた真面目で愛らしい草食系男子のイメージが世間に強く浸透していた。その彼が、情けなく情熱も道徳心も希薄な「ダメ男」を体当たりで演じたことは、多くのファンに強烈な違和感を与えた。好感度の高い主演俳優と、泥臭いダメ人間のギャップが、作品に対する戸惑いを増幅させたと言える。
一方、原作を手掛けた誉田哲也は、緻密な警察描写や人間のダークサイドを描くサスペンスドラマの分野で絶大な支持を集めるベストセラー作家だ。単なるほのぼのとした日常系ドラマではなく、一瞬の過ちで人生のレールを外れた人々が直視せざるを得ない世間の冷たい視線や厳しさを描く、サスペンスドラマ特有のスリルとリアリティを本作に持ち込んだ。この原作の鋭利な切り口と、主演俳優のパブリックイメージとの衝突こそが、視聴者を困惑させた真相である。