下町の情緒が残る浅草で、今もっとも熱視線を浴びている取り組みがある。浅草銘菓振興会が主導する「浅草和菓子めぐりプロジェクト」だ。歴史ある街の魅力を再発見してもらうべく企画されたこのプロジェクトにおいて、異彩を放っているのが今回の焼き饅頭である。
背景には、近年の歴史ブームがある。大河ドラマ『どうする家康』の放映以降、戦国時代を彩った人物たちへの関心が再び高まった。中でも茶々(淀殿)ゆかりのストーリーは多くの人々の興味を惹きつけて離さない。さらに、詫び寂びの美学を確立した千利休の茶道精神を取り入れ、お茶にも最高に合う伝統和菓子として再解釈されたことが、大ヒットの大きな原動力となっている。