人間の隠された感情を解読する上で避けて通れないのが、世界的な心理学者ポール・エクマン博士の業績だ。彼が発見した微細表情(マイクロエクスプレッション)は、本人が意識して隠蔽しようとした感情が、わずか0.5〜0.04秒という一瞬の隙に顔面に漏れ出る非言語行動を指す。
かつてNetflixなどで世界的な配信ヒットを記録し、日本でも愛読されたドラマ『ライ・トゥ・ミー 嘘の瞬間』は、このポール・エクマン博士の研究が直接のモデルとなっている。劇中で描かれたように、他者を陥れようとする瞬間や優越感に浸る際、顔の片側だけに現れる非対称な軽蔑の失笑や、一瞬だけ瞳が鋭く収縮する現象は実在する。微細表情の科学は、フィクションを超えて現実の人間観察ツールとして威力を発揮している。