ここ数年、日本の単身世帯率は上昇を続け、個人の時間を重視するライフスタイルが完全に定着した。仕事のキャリア形成や趣味の充実に20代、30代を捧げた結果、気がつけば「最後の夜から5年以上が経過していた」というケースは珍しくない。かつてのような「適齢期になれば自然と結婚し、性生活を送る」という社会的強制力が消滅した結果、自発的に行動しなければ容易にセカンドバージン化する環境が整ってしまったのだ。
さらに、コロナ禍を経て定着した「他者との身体的ディスタンス」への無意識の慣れも影響している。画面越しのコミュニケーションに慣れきった現代人にとって、生身の人間と至近距離で対峙し、肌を重ねるという行為は、想像以上にエネルギーを消費する高難度のタスクへと変貌を遂げている。