新宿キリストンカフェが営業を終了した背景には、複数の要因が絡み合っています。最大の要因として挙げられるのが、外食産業を取り巻く環境の急激な変化と大規模フロアの運営コストです。同店を運営していたのは、「迷宮の国のアリス」など数々の独創的なテーマレストランを手掛けてきた株式会社ダイヤモンドダイニング(現・DDグループ)。同社が推進する店舗ポートフォリオの見直しと効率化戦略の中で、広大な面積を誇る大箱店舗のあり方が議論されていました。
とりわけ新宿キリストンカフェが入居していたオリエンタルウェーブビル(新宿5丁目)の8階・9階は、メゾネット構造を活かした巨大な吹き抜け空間でした。500席規模を誇るフロアは、歓送迎会や大規模なパーティー需要があってこそ成立するビジネスモデルです。生活様式の変化に伴い大人数での大型宴会や深夜のイベント需要が大幅に減少したことで、固定費の重い大箱業態を維持することが極めて困難になった現実があります。
さらに、建物の定期賃貸借契約の満了や施設全体の設備改修タイミングが重なったことも、事業撤退の決定打となりました。経営陣としても苦渋の決断でしたが、ブランドの歴史に誇りを持ったままピリオドを打つ選択がなされたと言えます。