「ベトコン」というインパクトのある名称について、インターネット上では様々な憶測や都市伝説が飛び交ってきました。その歴史的ルーツは1969年(昭和44年)、愛知県一宮市に構えた中華料理店「新京」の創業者・稲垣稔氏の手によって生み出されたことに始まります。
当時、東南アジアの戦況を伝える報道の中で、泥沼の戦いでも力強く立ち向かう現地の人々の逞しさに着想を得て命名されたという経緯がありました。しかしその後、店舗では「食べれば体調が万全になるラーメン」という本来のスタミナ食としてのコンセプトを前面に打ち出し、「ベスト・コンディション・ラーメン(Best Condition Ramen)」の略称として公式に再定義され、広く社会に定着していきました。
愛知の一宮で産声を上げた新京の味は、隣接する岐阜エリア(岐阜市、各務原市、笠松町など)へ暖簾分けや系列店舗を通じて瞬く間に伝播しました。濃口醤油文化と町工場や農作業で汗を流す人々が多かった岐阜の風土に、ニンニクと塩分、スパイスが効いた新京のスタミナラーメンは見事に合致し、半世紀を経て「岐阜のソウルフード」として確固たる地位を築くに至ったのです。