物語の骨子として伝わってきたのは、切なくも壮大なSFファンタジーの要素だ。ある日突然、日常の境界線が溶解し、主人公たちが選択を迫られるストーリーライン。だが、ただの空想科学に終わらないのが新海マジックである。根底に流れているのは、人間同士の孤独や絆、そして再生を描く濃厚なヒューマンドラマに他ならない。
作中に散りばめられた「時計の針が逆回転するシーン」や「水底に沈む都市のイメージ」は、物語の核心を指し示す重大な伏線となっている。主人公たちが紡ぐ言葉の端々に隠された意味。登場人物たちが背負う過去の傷と、未来への誓い。それらが複雑に絡み合い、ラストに訪れる感情の爆発へと雪崩れ込んでいく。観客はスクリーンから一瞬たりとも目を離せなくなるに違いない。