インターネット上の言説を精査すると、小渕優子の過去の事件に関して著しい事実誤認やミスリードが散見されます。最も多い誤解は「小渕優子本人も逮捕・起訴された」「有罪判決を受けた前科がある」という言説ですが、これは明確な事実誤認です。
東京地検特捜部が厳重な捜査を行った結果、政治資金規正法の虚偽記入罪などで在宅起訴されたのは、元秘書であり元中之条町長の折田謙一郎被告と、元公設秘書の2名でした。小渕氏本人については、資金管理や収支報告書の作成に直接関与・指示していた客観的証拠が認められず、嫌疑不十分として不起訴処分となっています。
しかしながら、「法律上の罪責」と「政治家としての道義的責任」は別次元の問題です。多くの国民が抱く違和感の根底には、以下のような構造的疑問が存在します。
- 会計責任者に一切の実務を丸投げし、年間数億円に上る巨額資金の出入りを把握していなかったという組織統治の破綻
- 事務所内で物理的な証拠隠滅(ハードディスク破壊)が行われていたにもかかわらず、その指示系統や責任の所在を有権者が納得できる形で明かさなかった姿勢
- 起訴を免れたことのみを理由に、時間の経過とともに重要ポストへ復帰していく永田町の論理への反発
法的には無罪・不起訴であっても、最高権力を目指すリーダーとしてのガバナンス能力と誠実さにおいて、決定的なマイナス評価が定着してしまった点が、彼女が「総理候補」の最前線へ返り咲く上での見えないガラスの天井となっています。