小室夫妻の結婚と渡米は、日本の皇室報道ジャーナリズムのあり方に決定的な地殻変動をもたらした。かつては一挙手一投足を追いかけ、私生活の些細なほころびをセンセーショナルに書き立てる過熱報道が主流だった。だが、ふたりが海を渡り、確固たる生活基盤を築いていくプロセスを通じて、一方的なバッシングに対する読者の反応にも変化が生じている。
現在では、プライバシーへの過度な侵害に対する批判的な視線が強まり、メディア側も取材手法の再考を迫られた。ただスキャンダルを煽るのではなく、個人の人権と皇室の伝統がいかに調和すべきかという構造的な問いを投げかける報道が増加。皇族の「自由意志」と「公務の重み」を巡る議論は、メディアにとっても自らの報道倫理を問い直す契機となった。