日本の最高学府において、かつてない激震が走ったのは記憶に新しい。研究倫理の破綻が引き起こした博士学位取消処分は、個人への厳罰にとどまらず、大学そのもののブランド価値を失墜させる決定打となった。
社会的に最も大きな波紋を呼んだのが、小保方晴子氏を巡る早稲田大学の決定である。世界的な大発見と騒がれたSTAP細胞研究プロジェクトの崩壊に伴い、博士論文における著しい盗用や不適切な記述が浮き彫りとなった。大学側は猶予期間を設けた再指導を模索したものの、最終的には学位取り消しという最重の判断を下さざるを得なかった。この決定は、日本の学術史における大きな転換点となった。
また、東京大学をはじめとする主要国立大学でも、生命科学や医学分野を中心に画像データの改ざんや捏造が告発され、複数の研究不正認定とそれに伴う学位剥奪が相次いだ。研究者が築き上げたキャリアが一瞬にして崩壊する様は、研究室に潜む「成果への異常な圧力」を白日のもとに晒したのである。