2年に一度実施される日本相撲協会の理事選挙において、長らく八角理事長の盤石な基盤を支えてきたのは、出羽海一門や高砂一門を中心とする強固な合意形成でした。しかし、協会の定年規約(親方は原則65歳定年、再雇用制度で最長70歳まで残れるものの理事等の役員就任は不可)に照らし合わせると、1963年6月生まれの八角理事長が舵取りを続けられる期間は残り僅かです。
日本相撲協会の公式サイトが公表する職務分掌や報道各社の取材データによると、直近の改選期に向けて各一門の事前調整はかつてない緊迫感をもって行われました。特に、長年広報部長として組織の対外発信を支え、メディア露出も多かった元横綱・大乃国の芝田山親方が役員選出の第一線から身を引く動きを見せたことで、二所ノ関一門内のバランスにも大きな変化が生じています。
「八角一強」と言われた安定期は、裏を返せば「カリスマ的後継者の不在」を覆い隠してきた期間でもありました。2026年現在の執行部は、次期理事長選出のプロセスにおいて、一門間の対立を再燃させることなく無投票での一本化を図るのか、それとも世代交代を求めて本格的な選挙戦へ踏み切るのか、重大な岐路に立たされています。