宿の誇る歴史的価値も、旅の情趣をいっそう深いものにしてくれる。敷地の一角に静けさを纏って佇む歴史的建造物は、かつて三菱財閥の2代目当主・岩崎彌之助が別邸として建てた構えであり、現在は国の登録有形文化財として大切に保存・継承されている。
時を重ねた木々が陽光を浴びて輝く中、文化財である「旧岩崎家別邸」と、職人の技と美学が詰まった意匠「山景園」が独特の存在感を放つ。和ガラス越しに美しい庭を眺めていると、明治の文人や政財界の重鎮たちが過ごした往時の華やぎが、鮮やかな臨場感をもって胸に迫ってくるはずだ。