伝統の継承という重厚な課題に対し、上七軒は極めて柔軟かつ人間的なアプローチをみせている。かつて厳しい修行の壁に阻まれがちだった花街の世界だが、近年では置屋の環境改善やメンタル面のサポート態勢が飛躍的に進化を遂げた。
日本各地からやってくる10代後半の志願者たちは、自らの意志でこの門を叩く。厳しい稽古に打ち込み、長唄や舞踊、三味線の手ほどきを受ける日々。舞台で見せる息をのむような艶やかさと、楽屋裏で見せるあどけない素顔。そのコントラストは、この歴史ある街に新しい生命感とみずみずしい熱量をもたらしている。