大手Webメディアの現場で読者動向やソーシャルメディアの反響を分析していると、「嫌儲」というスタンスは2010年代の特殊な掲示板スラングにとどまらず、一般的な生活者の感情としても深く根付いていることが分かります。
ネット上の掲示板やSNSの声、知恵袋などのQ&Aサイトに寄せられる一般ユーザーのリアルな心情を抽出すると、以下のような生々しい本音が浮かび上がってきます。
「昔好きだったゲーム実況者が、チャンネル登録者数が伸びた途端に案件動画ばかりになり、あからさまなタイアップ商品ばかり褒めるようになって幻滅した」(30代男性・会社員)
「SNSのタイムラインで有益な情報を発信しているように見せて、最後のポストで怪しげな有料noteや情報商材のリンクを貼られると、それまでの文章すべてが嘘臭く見えて激しい嫌悪感を覚える」(20代女性・公務員)
「自分が一生懸命働いて得ている給料に対して、コピペやAI生成のまとめ動画で月数百万円稼いだと自慢しているアカウントを見ると、倫理的に納得がいかない感情が湧くのは否定できない」(40代男性・自営業)
これらの声が示すのは、人々が忌避しているのは「正当な労働の対価」そのものではなく、「信頼関係の換金」や「手抜き・虚飾による不労所得の誇示」であるという事実です。現場の編集視点から見ても、クリエイターが読者とのエンゲージメントを急激に現金化しようとした瞬間、コミュニティの熱量が冷え込み、反発の炎が燃え上がるケースは枚挙にいとまがありません。